2014年4月5日土曜日

【活動報告】 漁業支援/ホヤ養殖の手伝い

4月2日、いつも連携しているボランティア団体、チーム王冠(石巻市)の支援活動に参加してきました。
この日は朝方こそ肌寒いものの日中は晴れて14~15度まで気温も上がり、屋外作業も気持ちの良い1日でした。

在宅被災者やみなし仮設世帯を主な支援対象とするチーム王冠が、今おもに取り組んでいる活動は漁業支援、農業支援などの自立支援、コミュニティー維持のためのお茶っこバス、独居老人宅の見回りなどですが、細かいニーズにも対応しているので様々です。

私は午前中、牡鹿半島のある浜でホヤ養殖のための作業を手伝いました。石巻の養殖業は牡蠣やワカメが有名ですが、大量に出る牡蠣殻を利用したホヤの養殖に取り組んでいる方もいます。ただしホヤは出荷できる大きさまで成長させるのにワカメより時間がかかります。

ホヤを種付けするには牡蠣殻に紐を通したものを海中に沈めます。つまり牡蠣の養殖で出る殻の再利用です。ちなみに牡蠣はホタテの貝殻に紐を通したものを利用するので、これも再利用です。


身を取り出した牡蠣殻の山


ホヤ養殖に適した大きさの殻を選別


選別した殻に機械を使って紐を通す穴をあけます
 
 
穴をあけた牡蠣殻


牡蠣殻に紐を通して出来上がり

この浜でホヤ養殖に取り組んでいるご夫婦は311までもちろんこの浜で生活していましたが、津波で家を失い、現在は車で1時間以上かかる遠方のみなし仮設に住んでいて、浜へは車通勤です。
漁業者にせよ農業者にせよ、1時間かけて通勤なんて常識ではありえませんが、被災地では珍しくありません。「例えば嵐が来て海の様子が心配になっても、今はすぐに見に行くこともできない」とのこと。
継続的な現金収入を得て自立した生活を営めるようになるまで、さまざまな我慢を強いられます。しかもこの苦難がいつまで続くかわかりません。ゴールの見えないマラソンを走り続けなければならないとすれば、途中であきらめる人が出てきても不思議でないと思います。ボランティアが漁業支援する理由はここにあります。1日も早く生活基盤が整うことを祈るばかりです。



この日は、午後にお茶っこバスも行いました。その報告は改めて・・・。


左上の木の枝に掛けてある黒いブイ(球)は、津波が到達した高さを示しています。
報告:杉崎順一