2017年11月10日金曜日

箱塚桜団地仮設住宅芋煮会のご報告

報告までに少し時間が掛かってしまいましたが
10/28(土)宮城県名取市の箱塚桜団地仮設住宅にて
東日本大震災以降、7度目の芋煮会を行いました。

芋煮会とは東北地方で秋に行われている季節行事の一つです。

開催にあたり、食材費・資材費に皆様から東北ほっとプロジェクトに
ご支援いただいた支援金の一部を使わせていただきました。
会計報告は集計が完了し次第改めてさせていただきますが、
この場を借りてお礼を申し上げます。
ありがとうございました。

-----------------------------------------------------------------
この仮設住宅に私が初めてきたのは2011年の5月だったと思います。
当時は仮設に住まわれている人がどんなことに困っているのか?
一件一件のお宅を訪ね、それを聞きとり調査していました。

仮設住宅というのはその名の通り、本当に応急的に作られたもので、
所変われば建物の機能も、部屋の内装・間取りも違う。

虫除け用のネットが入り口についているようなものもあれば
最寄りの買い物ができる店から10数kmも離れているところもある。
ある地域の人がまとまって入居しているところもあれば、
全くの他人同士が集まったところもある。

箱塚は住民の方々の結束がとても強い仮設住宅でした

あるお宅で紹介を受け、自治会長さんとお話する事ができました。
敷地内の車の進入を制限して子供たちの遊び場所を確保したり、
入居している各家庭にいろいろな役割を割り振って孤立を防いだり、
一人暮らしのお年寄りの家には定期的に見回りにいったり、
コミュニティを崩さない様々な工夫を聞かせていただきました。

その会話の中で
「夏祭りをやりたい」というお話があり、
お手伝いをさせていただいたのがきっかけで
毎年恒例となる芋煮会へと繋がっていきました。



帰りがけ小学生たちが集まってきて
「いま何が必要かな?」と尋ねると
元気に「水鉄砲100万丁!」と答えていたのをよく覚えています。

あの時の小学生たちは、もう中学、高校と進学している。
それだけの月日が流れました。



今年の開催にあたり、事前に
「いま住んでいるのは20世帯ほどである事」
「来年の4月には箱塚の仮設住宅も解体される事」
「イベントがある時は仮設を出て行った人も集まってくる事」
などを伺っておりました。

参加人数が読めないような状況でしたが
お腹いっぱい食べてもらおう、という事で
昨年と同規模の食材を用意しました。
芋煮会当日は、たくさんの人が戻ってきて参加してくれて
宮城版の芋煮も、山形版の芋煮もすっかり空っぽになりました。


暮らす人が少なくなることも、仮設が解体されることも、
被災された方々が新しい生活をスタートされているのだと。
それがお一人お一人にとって良きものであってほしいと願います。
また『本当は困っている』という人が見落とされないようにも
この地域の繋がりが続いてほしいなと思っています。




復興というのは「最低でも元と同じ状態」
誰かが言っていたその言葉を胸に、
「いまはその状態になっているのか?」
そう自分に問い続けながら、少しでも何か力になれることを
続けていきたいと改めて思います。

東北ほっとプロジェクト 笠原宗一郎

2017年7月1日土曜日

日帰り温泉ツアー/活動報告

2017年6月28日(水)。今年1月に行って好評だった日帰り温泉ツアーを企画、実行いたしました。
今回の参加者は10人。一般社団法人チーム王冠からも1人アテンドとして参加。全部で12人のにぎやかな会になりました。

今回もお預かりしているご寄付から計18,824円を支出しました。ありがとうございました。
内訳は下記の通りです。
(1)レンタカー代 17,280円
(2)ガソリン代 1,544円

報告 杉崎順一

2017年1月21日土曜日

日帰り温泉ツアーのアテンド/活動報告

2017年1月18日(水)、在宅被災者の支援活動を継続している一般社団法人チーム王冠(宮城県石巻市)と協同で、在宅被災者を日帰り温泉にお連れするイベントを行いました。チーム王冠の温泉ツアーは「お湯っこ」と呼ばれ、過去何度も開催されています。とても好評を得ている企画です。
東北ほっとプロジェクトはツアーの計画、車両手配、アテンドを、チーム王冠は参加者の募集などを担当しました。

参加者は男女10人で、ほとんどが在宅被災者としてチーム王冠が支援を行ってきた(または継続している)方々です。石巻市やその周辺では東日本大震災から6年近くが経ついまでも、コミュニテーが復活していない地域が多く、震災以前のような近所付き合いが無なくなったままになっています。これには被災者の高齢化も少なからず影響しているようです。
チーム王冠はコミュニティーの復活、維持、発展を目的に茶話会(お茶っこバス)や温泉ツアー(お湯っこ)を企画、実行してきました。東北ほっとプロジェクトもこの取り組みに協力しています。

今回のツアーの目的地は宮城県大崎市にある日帰り温泉施設、さくらの湯です。なお、入館料と飲食代は参加者負担が決まりとなっています。


午前中、前日までにチーム王冠で取りまとめた参加者宅を回ってピックアップ、さくらの湯へ移動します。到着後は温泉や食事、買い物など思い思いに過ごしてもらい、夕方5時ごろまでには送り届けて解散になります。
チーム王冠のお湯っこは被災者に対する支援活動として行っていますが、我々支援する側が行うことは必要最小限にとどまります。具体的には企画と募集、当日の送迎程度です。時間の使い方、過ごし方は参加者にお任せです。
これは被災地コミュニティーの維持、発展を目的とする場合、支援する側が過度に介在するとは適当でないと考えるからです。もちろん会話に参加することはありますが、基本的には一歩引いた立場でサポートに徹します。主役はあくまで被災者の皆さん。我々はきっかけを作るのみで後は黒子に徹する、というスタンスを心がけています。

日帰り温泉は旅行ほど大げさでなく、日常生活の延長線上にあるちょっとしたお楽しみです。だれでも気軽に参加できて、ほんの少しの非日常感を味わえるところが参加者に好評なのだと思います。別の機会に在宅被災者に会っときにも、「また温泉行こうよ」という声を何度も聞きました。温泉ツアーで初めて知り合って意気投合し、その後も付き合いが続く方もいらっしゃいます。
東北ほっとプロジェクトとしても、また企画してみたいと思います。

今回このツアーを実行するにあたり、お預かりしているご寄付から計19,502円を支出しましたので合わせて報告いたします。ありがとうございました。
内訳は下記の通りです。
(1)レンタカー代 17,280円
(2)ガソリン代 2,222円



報告 杉崎順一