2014年11月17日月曜日

広島へストーブを支援


平成26年8月20日、広島市北部の安佐南区、安佐北区で大規模な土砂崩れ、地滑りが発生しました。74人が死亡し、全半壊した家屋は250棟以上という大災害でした。

災害発生から3か月も経過していませんが、全国ニュースではあまり報道されることがないためか、関心も薄れたように感じます。しかしながら家屋の全壊だけでも133棟を数えるわけですから、現場では復旧作業はもちろん、様々な支援活動が現在進行形です。


先日、広島たすけ隊というボランティアグループの方から、1本の電話がありました。彼らは広島土砂災害の被災者にコタツや布団などの支援を進めていて、物資調達の方法などについて参考になりそうな情報を集める中で、私達のブログが目に留まったそうです。

お話を伺うと、暖房支援の計画を思ったように進めるのが難しいとのこと。そこで東北ほっとプロジェクトのメンバーで相談し、以前、支援物資として寄付者より預かっていた石油ストーブと電器ストーブを各1台、広島たすけ隊を通じて、広島の被災者に届けてもらうことにしました。




発送したストーブは11月15日に広島たすけ隊に到着したことを確認しました。2台では足りないことは間違いないと思いますが、本格的に到来する冬に向け、寒さをしのぐ一助になることを願っています。
これらは東北ほっとプロジェクトに寄付頂いたものなので、本来は東日本大震災の被災者に届ける予定でしたが、今のところ適当な支援先が把握できていないこと、広島であっても冬を前に暖房を必要としている被災者がいるなら融通するべきとの考えから、広島へ送ることを決めた次第です。
ここに支援いただいた皆様へ報告するとともに、ご理解頂きたいと思います。

東北ほっとプロジェクトは現在も東日本大震災被災者の支援活動を続けています。宮城県石巻市を拠点に活動している一般社団法人チーム王冠とも協力し、暖房器具や布団などを必要としている被災者がいれば、速やかに支援を実現する準備はできています。引き続きご支援をお願いいたします。

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さて、電話を頂いた広島たすけ隊事務局の女性から、災害現場と周辺の様子について、その一部を聞くことができました。
彼女によると、災害発生直後は大勢のボランティア志願者が押し寄せたものの、報道がなくなると同時にボランティアの数も急に減ってしまったそうです。また、支援物資として衣類を集めると中には明らかな古着が混ざっていて、穴の開いた靴下まで入っているとも聞きました。人手が無い中で仕分け作業に時間を取られ困っているそうです。

お話を聞いて、東日本大震災の場合と似ていると思いました。
報道がなくなると「復旧した」「困っている人はもういない」と誤解され、関心も薄くなりボランティア志願が減るという、残念な現実が繰り返されているようです。
また(善意だとしても)支援物資として古着を送りつけるというのも困ります。なにより仕分け作業に人手が取られます。(広島市のように)近所で新しい衣類を購入することが容易ならば、必要なものを必要なだけ現地で調達するのがベストです。そのための支援をする、つまり現金の援助が現実的で無駄がないということは、東日本大震災の教訓です。

広島たすけ隊は今も支援活動を継続しているようです。活動の様子はFacebookホームページで知ることができます。
彼らが現在も活動を続けているということは、現地のニーズを吸い上げ、被災者からの信頼も得ているということだと思います。現場にニーズがある以上、少しでも長く活動できることを祈っています。

報告:杉崎順一

2014年11月6日木曜日

インターネット講演会「被災地の課題と現状」へのお誘い

東日本大震災の直後から、津波の被害を受けて半壊状態の自宅に住まざるを得なかった人(在宅避難者)が、大勢います。
当プロジェクトが現地でのボランティア活動でお世話になっている、一般社団法人「チーム王冠」は、情報や支援から漏れてしまいがちな在宅避難者の支援を、震災直後から続けてきました。 

3年半以上が過ぎ、住宅支援制度も出尽くしたところで、その制度の認識度や利用状況、そこから派生する生活状況などを調べた結果を報告する機会を設けます。 

今でも床や壁がない家に住んでいる人、頑張って家を修理したのに立ち退きを迫られる人などなど、約500軒のお宅を一軒一軒回り、実際にお会いして聞き取りした貴重な調査内容を、インターネットで各会場(石巻、山形、横浜、京都)を繋ぎ、情報の共有を図ります。

当プロジェクトでは、横浜会場を担当します。入場無料ですので、皆様お誘いあわせの上お越しください。
横浜会場に参加ご希望の方は、人数把握の都合上、杉崎 (090-7830-2725 tohoku.h.p@gmail.com)までご一報いただけると助かります。

(4会場のどちらでもご参加いただけます。ご希望の方は各会場にお問合せください。)

日     時 : 11月28日(金) 19:00~20:30

横浜会場 : 横浜市技能文化会館 6階 603研修室
               横浜市中区万代町2-4-7 TEL:045-681-6551
                  「関内駅」から徒歩5分、
           「伊勢佐木長者町駅」から徒歩2分
                  駐車場は22時まで利用可能。
           http://gibun.jp/access.html


テ ー マ   : 「在宅被災者が抱える課題と現状」

入 場 料  : 無料

問 合 せ  : 杉崎 庸子 090-7830-2725 tohoku.h.p@gmail.com


  

聞くところによると、聞き取り調査をした中では、「この3年半、誰にも震災の話ができなかった」とか、「住宅再建制度の存在を知らなかった」、「長屋式の住宅で、隣は全壊判定だったのに、うちは半壊判定だった」、「自力で何とか家を修繕したが、ご近所さんは引越して寂しくなってしまった」などのお話もあったとのこと。

支援制度の周知は確かに行政の仕事です。しかしあまりに広範囲の被災のためか、種々の事情で制度から漏れてしまう人がかなり存在するのも事実です。そして、そのような生活の中で、「訪ねてきてくれた、忘れられてなかったんですね」と喜んでくださる方が、たくさんいます。

定期的に被災地を訪れている者としては、やはり行政だけではなく民間の地道なサポートは確実に必要だと感じます。震災から月日が経ち、被災した人たちが自ら声を挙げにくくなっている現在、なおさらこちらから勇気を持って一歩を踏み出さないといけないと思います。

そもそも、私たちが東北ほっとプロジェクトを立ち上げたのは、「被災した人たちがホッとできるようなお手伝いしたい」、また「支援を必要としている人と、支援したい人の架け橋になりたい」というのが目的でした。ぜひこの機会に、被災地の現状の一端を知っていただけたらと思います。

知ったところで何ができるのか、私自身、自問自答の連続です。しかし知らないことには始まりません。お心を寄せていただければ幸いです。どうぞよろしくお願い致します。



記 : 杉崎 庸子

2014年11月4日火曜日

第2回「あいのり」参加者の感想

10/11(土)・12(日)に「あいのり」に参加された方から、感想を伺いました。
今回も、ハートの熱い、でも冷静な頭脳の方々に参加していただき、事務局の私としては、「チーム王冠自体は活動報告を挙げていないのに、優秀な人が集まるものだなぁ」と感心しました。
 
 
◆神奈川県横浜市在住 40代女性 YSさん 

2日間の活動で、両日とも女川地区のホヤ養殖の種付けを行いました。

ホヤ養殖の種付け作業では、赤色の小さな貝(ホヤの赤ちゃん)が付着した牡蠣の貝を、太く長い紐に、紐のヨリを押し広げるようにして挟み込んでいきます。いたって単純な作業なのですが、この太い紐はずしりと重みがあり、そのヨリを押し広げるのは見た目より力のいる作業です。それにもかかわらず、漁師さんご一家の女性陣がそろって明るい表情で手早く作業をする様子を見て、漁師業を支える女性たちの逞しさに敬服しました。それと同時にほっとしました。今、この石巻で明るく前向きに暮らしている人々はきっと多いだろうと思えたからです。 

あいのりに参加したことで、同じことを気にかけている人達と出会え、共に活動することができ、共通の思い出ができました。他の参加者の皆さまの姿勢から多くを学んだように思います。いろいろとありがとうございました!

 
◆東京在住 30代男性

今回の二日間の滞在でアセスメント(情報収集)を担当しました。

訪問した方々のなかには、経済的な理由で未だ自宅の修復が出来ず、壁にヒビが入ったままで、雨漏りするお宅に住み続けています。行政の補助だけでは、自宅の完全修復など到底できず、収入源は年金しかない。しかも、一人の年金で四人を養っている。

そんな方々を見付け出し、復興のお手伝いができるのは、チーム王冠しかない。素直にそう感じました。見えない所で助けを求めている人がまだまだ居る事を痛切に感じた2日間でした。

 
◆神奈川県川崎市在住 40代 YKさんは、ご自身で活動報告のブログを書かれていますので、そちらもぜひご覧ください。

「 Something fine for TOHOKU 」

・1日目
http://kajitaniyuri.cocolog-nifty.com/blog/2014/10/1011-d9d5.html

・2日目
http://kajitaniyuri.cocolog-nifty.com/blog/2014/10/1012-3cda.html

 


◆私(杉崎庸子)は、今回2日間のうち1日半は、当プロジェクトの笠原君と一緒に倉庫整理をしました。他の人が被災した方にお会いして聞き取り調査をしたりしている中で、地元の人との接触がない倉庫整理とは、「私、過去に何か失敗(失言)したかなぁ」と思いました。 

倉庫整理が嫌なわけではありませんが、宮城のあちこちに、今どうされているか気がかりな人がいるので、お会いした気持ちがあるからです。 

率直にチーム王冠の大津さん(仕事の割り振り担当)に聞いたところ、「倉庫整理は、過去の経緯が分かる人でないと整理の判断がつかないので、ベテランの人でないと任せられないんです」とのこと。 

なるほど、確かに。
笠原君と2人だったので、素早く判断しながら作業することができましたが、やはり倉庫整理の経験のない人には難しいし、間違えると時間と労力が無駄になることになります。 

倉庫には、時期に応じて必要な物や道具などがあります。現場で動くためには欠かせません。
千年に一度の大災害から立ち直るには、いろいろな方面から支える必要があるのだとあらためて感じました。

記 : 杉崎 庸子





お茶っこバスにエネルギーチャージ!!


人間もエネルギーチャージ!
スーパー「あいのや」の安くておいしいお弁当。
 

夕ご飯はカレー by杉崎 順一