2013年3月31日日曜日

3/31 暖房器具支援活動報告

本年1月より再開して参りました暖房器具支援ですが
現在も支援が必要なお宅(主に一人暮らしの高齢者)へ
コタツやコタツ布団をお届けして回っております。

関東もそうですが、まだまだ寒い日が続き、特に東北では暖房器具の需要は梅雨明けぐらいまで続くため皆様からご支援いただいた資金を困難な生活を続けるお宅に届けていきたいと思っております。

年度の節目ですのでこれまでの報告をさせていただきます。

このblogでも度々報告させていただきましたが、
今回の支援は”みなし仮設”というところに大きく注意を向けております。
その詳細につきましては過去の記事をお読みいただければと思います。

みなし仮設の現状について

被災したご自宅から避難所でもなく、応急仮設住宅でもなく、とりあえずはと入居した民間借り上げの仮住まいでの暮らしも2年が過ぎました。失業や負債が解決されず、入居期限切れや支援不足など多くの問題を抱えながら住み慣れない地域での生活。その苦労が外から分からない状態に焦りと不安を抱いている人がたくさんいます。

「震災からいままでどこにも相談するところがなかった」と涙される方が、
これほどまでに多いという現実に唖然といたします。

暖房器具を届けるという物質的な支援もありますが
これだけの時間を経て、「今こそ話を聞いてくれる人がほしい」
と思う方が多いのだという事を活動を続ける中で強く感じます。

仙台は荒浜地区で被災され地域がバラバラになってしまった方々の中にもなんとか元のコミュニティを取り戻そうと活動している人たちもいます。

若松会のホームページ

『2年経ったから』何かが良くなっているはず・・・ではなく
『2年経ったからこそ』 いまどうなっているのか?にきちんと目を向ける必要があるように思います。


また個人宅の支援とは別に、今回北上地区に建設された集会所への
暖房器具支援を行いました。少し広めの部屋を暖めるため、
石油ストーブとしても一般家庭より大きめのものです。

この集会所は地域の支援のために行政が資金を出し立てられました。
農家の多いこの地域では、田んぼの重要な水源である沼が津波により農業に使えなくなってしまいました。行政でこの問題への対応が検討され実際に動き出しているようですが、思うように除塩作業が進まず農業の再開に目処が立たないのが現状です。集会所もこの復興計画の一環ですが水源の確保に掛かる費用が予算を越え、集会所の建物だけが完成したという状態です。中にはイスもテーブルも、もちろん暖房器具もありません。これらを住民で揃える経済的なゆとりはなく、住民の重要なコミュニティの場として集会所が機能するようにと今回の支援を決めました。購入品の詳細につきましては改めてご報告いたします。

先日の当プロジェクト杉崎さんからの報告にもありましたが
漁業も農業も収穫時期を逃すと、その一年収入は0です。

ならば別の仕事をすればいいじゃないかと思う方もいるかもしれませんが、漁業も農業も若者離れは激しく、40代、50代あるいはそれ以上の方々が長年支えてきたお仕事です。『辞めるという決断』も『転職の現状』も容易なものではありません。

地域の方々も本業の再開に一所懸命動いています。

震災から三回目の春。
”復興した”と言える状況にはまだほど遠いように思いますが気持ちも新たに東北ほっとプロジェクトも引き続き活動を続けて参りますので何卒よろしくお願いいたします。

再開の目処が立たない農地






2013年3月24日日曜日

【お願い】チーム王冠さんへのタイヤ代カンパについて

震災直後から現在まで、継続して被災者のために支援を続けている一般社団法人チーム王冠さんが活動車のタイヤ60本の窃盗被害に遭いました。
被害は夏用タイヤ(履き替えて保管していたも)で、ワイヤー錠を切断されての盗難です。
東北ほっとプロジェクトの活動でも、ストーブをはじめとした暖房器具支援など非常にお世話になっている現地ボランティア団体です。


切断されたワイヤー

東北の被災地は、震災以前からもほとんどの地域が車社会でした。震災でさらに公共交通機関が被害にあいました。例えば石巻や東松島では津波で壊された鉄道が復旧せず、代用バスが走っているところもあります。この公共交通機関だけでは到底広い地域を支援仕切れず、活動における人の移動、物資の運搬のために自動車は必要不可欠です

現在チーム王冠さんでは支援者の方から貸与していただいている車両など約10台を使っていますが、自分が実際に見た印象では余剰車輌はなく、何か所もある支援先に人とモノを運ぶため、やり繰りに苦慮する日もあるくらいです。
被災地では震災直後に窃盗が多発したと聞いていますし、福島の原発周辺では避難した住民宅で空き巣被害が多いそうです。「自分より大変な人がいるからそっちを助けてあげて」と援助を拒む被災者がいる一方で、一部の心無い人によりこの様な犯罪が発生していることを残念に思います。

被害届は石巻警察署に出し、すでに捜査も進んでいますが、仮に犯人が検挙されてもタイヤが戻る見込みは少ないと思われます。
チーム王冠さんの話では、タイヤを新調すると中古品でそろえても約20万円、新品なら倍は覚悟しなければならないとのことです
活動範囲は沿岸部(直線でも200キロにおよぶ)に集中しているので、どうしても走行距離が長くなり、中古タイヤだと1年使えればいいほうだそうです。移動距離が長い分ガソリン代も嵩み、決して潤沢でない資金からさらにタイヤ代を捻出するのは痛恨です。


東北ほっとプロジェクトの暖房器具支援は、チーム王冠さんのボランティアと車輌なしには結実しませんでした。皆様から『東北被災地の暖房器具支援』という目的で支援金のお願いをして参りましたが、そのうちの一部を被害に遭ったタイヤ盗難に対する援助金として使用したく、ここにお願い致す次第です。

上述の通り被害総額の概算は20万円となりますが、どこまで支援できるかは検討中でございます。
皆様からお預かりしている大切なお金だということは重々承知しております。その上で何卒ご理解とご協力をお願いいたします。
もちろんタイヤ代のカンパについても適切に処理し、ご報告を怠らないことをお約束します。要支援者に物資とボランティアが遅滞なく届くよう、改めてご支援をお願いいたします。

◆ご寄付受付口座番号
ゆうちょ銀行 10200-2417881 東北ほっとプロジェクト
他の金融機関から振り込む場合 店名:ゼロニハチ(〇二八)普通預金 0241788


記事:杉崎順一

2013年3月23日土曜日

ワカメ加工のお手伝い


暖房器具支援のためのご寄付や情報の拡散でご協力くださった方には本当にありがとうございます。
先日、支出のご報告は簡単に致しましたが、詳細は近日中に笠原君の方からあらためてこちらでご報告しますので、どうぞ、今しばらくお待ちください。


今回は、ワカメ加工のお手伝いのレポートです。
※「ボランティアが地元の仕事を奪うことになるのではないか」という点については、過去の活動報告に記載していますので、ご参考になさってください。
2012年8月5日レポート「石巻での漁業支援活動」
  
http://tohoku-hot-project.blogspot.jp/2012/08/blog-post_5.html


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3/13(水)に、チーム王冠の活動に参加し、石巻中心部から車を飛ばして1時間のところにある浜で、ワカメ加工のお手伝いをした。
 
今はワカメ漁の最盛期、三陸の浜ではどこでも人手が足りない。アルバイトを募集しても人が集まらない。莫大な借金を抱えて再開したのに、タイミングを逃したら収入にならない。

聞くところによると、「採って来た生ワカメはすぐに適切な処理をせずに置いておくと、ドロドロになって商品価値がなくなる。また海からワカメを採ったら、その隣の残されたワカメは急激に大きくなり、これを放置するとこれまた固くて商品価値のないものになってしまう」と。

だから今の時期、ちょうどよく成長したワカメを採って、適切に加工するしかない。実際「新物」の季節で、注文はたくさん入っている。ワカメ採り、何工程もある加工作業、袋詰め、電話応対、発送作業など、現場(家族経営で従業員入れても数人、それにボランティア2名)はてんてこ舞い!
 
 

昨年11月末にお手伝いに行った時に、3センチほどの薄くてピラピラのワカメの種は、なんと長さ2~3mの立派なワカメになっていた。海のめぐみってすごい!と感動。
 
朝一番で採って来たワカメは、熱湯でゆでて冷水で冷やし、25キロずつネットに入れる、というところまでを午前中にやらねばならない。
その後は、塩水が満たされた巨大洗濯機にネット入りワカメを入れて撹拌(塩をまぶす)、脱水し、保管用の木箱に詰める。一部はワカメから茎やスジを取り除き、出荷作業へ。


午後は、出荷するための作業。

この日は、15:30までに塩蔵ワカメ600袋を作って箱詰めして発送しなければならないということで、みんなで大車輪で作業を進めた。ダンボールに詰め終わったのは15:15。15分遅れの休憩を取ろうとしたところへ宅配の業者さんがやって来て無事に引き渡して、みんなでホッとして飲んだお茶が美味しかった。
 
 
ここでは、船、加工場(当然、中の機械類も)、トラック、車、フォークリフト、冷蔵庫、、、全部全部流された。

公の助成金は、新品の船にしか適用にならない。中古の船は助成金なし。
しかし東北の太平洋側のすべての浜が被害にあっているのに(本当に「すべての」浜、被害のない浜はない)、新しい船がすぐに調達できるわけがない。調達できたとしても、支払いはまず自分たちでやって、その後に助成金が入るので、銀行からの資金調達は自力でしなければならない。
 
先月にお手伝いした時は、脱水の機械の調子が悪いということで、午前中に終わるはずの作業が夕方までかかった。全部が新しい機械で、微妙な扱いが異なる模様。男性陣が悪戦苦闘していた。その前には、ゆでたワカメを冷水に移すベルトコンベアーが動かなくなって、作業できなかった、とのこと。
道具を揃えても、軌道にのせるのは難しい。

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ここの会社の方は、ボランティアで来た人たちに、お礼の気持ちでワカメをプレゼントしたいのですが、人員をコーディネートしている「チーム王冠」では、参加したボランティアが、ワカメをいただくことを固く禁じています。

それは、マイナスから出発した漁師さんたちからは、まだまだいただくような段階ではないからです。ボランティアの住まいに発送することもできないように、「住所も教えてはいけない」というルールです。

チーム王冠の伊藤代表によると、「これまでにワカメ作業に、昨年だけでも延べ200人以上を送り込んだ。単純にそれだけの人に、お礼だと言ってワカメを送ったら、送料だけでも莫大な金額。今はまだそんなことができる状態じゃない。裏を返せば、再生するまでこの先もずっと関わって行く決意があるからこそ、そういう方針にしている」とのこと。

確かにこのルールは厳しいのかもしれません。
でも一定の線を引かなければ、結局は地元で頑張っている人たちの足を引っ張ることになります。
私のようなリピーターは、お互いに親しみもわきます。それだけに「親しき仲にも礼儀あり」としていることが、堅苦しいかもしれないけど、逆に信頼関係を深めていると感じました。

冒頭に書いた通り、今はワカメの最盛期です。4月中旬までこの作業が続きます。
賃金を支払うつもりでアルバイトを募集しても応募がなく、現場の漁師さんや家族、従業員の皆さんは毎日必死で頑張っています。
先述の若奥さんは、「本当はボランティアさんには毎日5人くらいずつ来て欲しい。でもどこでも人手不足だからチーム王冠には言えない」と遠慮されています。

先日の3月11日、全国で「忘れない」と言われていましたが、私個人としては、「忘れない」ということは、1年に一度のイベントに参加することではなく、支援し続けることだと考えています。千年に一度の大災害に遭って、2年やそこらではとても通常の生活には戻れません。息の長い支援が必要です。

復興へと進み始めた浜の漁師さんたちを応援してください。もちろん漁師さんだけでなく、人手を必要としている現場はたくさんあります。可能な方はぜひご参加ください。
 
記:杉崎 庸子
 

2013年3月15日金曜日

暖房器具支援 中間報告

みなし仮設住宅にお住いの被災者を主な対象者とした暖房器具支援の為、必要な物資購入を行ったことをご報告いたします(平成25年3月15日までの中間報告)。

・石油ストーブ 1台
・コタツ(ヒーター含む) 16台
・コタツふとん 7セット

支払合計は153,480円です。 ▼収支報告詳細(平成25年)

購入した暖房器具はすでに支援対象の被災者に手渡されています。皆様の暖かいご協力をもって暖房器具の支援が実現できました。スタッフ一同あらためてお礼申し上げます。ありがとうございました。

引き続き必要な暖房器具の支援を続行いたします。

報告:杉崎順一(会計担当)