2013年5月11日土曜日

「浜のおばちゃん」ストラップと石巻のCDショップ

東日本大震災の特徴の一つとして、南北数百キロに及ぶ広い範囲が津波被害を受けたことが挙げられます。仙台市など人口の多い都市部と小さな漁村など人口のきわめて少ない土地では、復旧・復興の様子も違いが見られます。
このうち後者ではもともと少ない人口に加え、高齢化、貧弱な交通手段、脆弱な経済基盤など、復興の足かせとなる要因が多く、まだ先の見えないなかで多くの人たちが暮らしているのが現状です。

そんな地方沿岸部に暮らす浜の女性達が、震災後に作り始めたものがあります。「浜のおばちゃんストラップ」と名付けられたこのストラップは、津波被害の甚大な石巻市雄勝町のある浜で作られています。このストラップが作られるようになった経緯は、実際に訪問したボランティア仲間のブログに詳しいのでそちらをご覧ください。
▼Something fine for TOHOKU  石巻雄勝・「浜のおばあちゃん」のストラップ





ストラップ作りは浜で生活するおばちゃん達のコミュニティー維持にも一役買っているわけですが、実際に売れて現金収入になればストラップ作りもさらにモチベーションがあがります。そこで石巻の(社)チーム王冠は、石巻駅近くの中心部に店を開く地元のCDショップ、ミュージックショップ・オバタさんの協力を得て、店先にストラップを陳列、販売してもらうことにしました。


ミュージックショップ・オバタさんは石巻駅から石ノ森漫画館へ向かう途中にあり、近くには賑わいを見せる復興マルシェもあります。石巻観光、特に石ノ森漫画館へ行く折りには立ち寄って浜のおばちゃんストラップを実際に見てください。

ミュージックショップ・オバタ 石巻市中央2-12-2

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実はこのミュージックショップ・オバタさんも311で甚大な被害を受けたおひとりです。お店のある石巻駅周辺は津波と地震で壊滅的被害を受けました。流された車が路上で幾重にも重なった惨状を報道などで見た方も多いと思いますが、あのあたりです。
報道で多く取り上げられたこともあり、他の場所に比べボランティアも早い時期に入り、がれき撤去や泥出しが進みました。ボランティアさんの活躍もあって店を再開する気持ちになったと店主は語っています。


しかしながら震災後仮設住宅に移り住んだ方も多く、周辺の住民は減ってしまったそうです。以前のような見抜き通りとしての賑わいは今は無いのかもしれません。店主は「別にCDを買ってくれなくてもいい。出かけたついでに寄ってお茶を飲んで行って欲しい。地元の人がちょっと寄れる場所になれば・・・」と話されています。

また「ミュージックショップなので通りに音楽が聴こえるようにしたいが、津波で機材が使えなくなった。新たに買うのも出費がかさむので躊躇してしまう」とも話されていました。

これを受け私達のプロジェクトの代表笠原君が自分で使っていたスピーカーやアンプなどを提供することになりました。5月上旬、私が石巻へ行くタイミングで笠原君から機材を預かって運搬。直接お店へお持ちして設置することができました。これで店内だけでなく表通りに向けて音楽を流すことができるようになり、大変喜んでいただきました。


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震災から2年以上が経過し、今後はこのような個別的な支援活動が増えていくと予想されます。借上げ仮設の賃貸借契約更新問題など、被災地では2年がたった今だからこそ新たに表面化した問題もあります。
石油ストーブ支援の折に多大なご協力をいただいた支援者の皆様には、まだまだ続く復興への取り組みにお心を寄せていただければ幸いです。私達はできる限り現地に足を運び、可能な範囲で見たこと聞いたことを伝えていくつもりです。引き続きご協力をお願いいたします。

◆ご寄付受付口座番号
ゆうちょ銀行 10200-2417881 東北ほっとプロジェクト
他の金融機関から振り込む場合 店名:ゼロニハチ(〇二八)普通預金 0241788


報告:杉崎順一

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